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派遣労働者の安全衛生管理に関するポイント

 

派遣労働者は、その雇用主である派遣元事業主ではなく、派遣先事業主から指揮命令を受けて労働に従事するため、労働者の危険または健康障害を防止するための措置をはじめ、多くの労働安全衛生法上の責任を派遣先事業主が負うこととなります。

特に、製造業務では、他の業務に比べ、危険な機械や有害な化学物質を取り扱うことが多いため、派遣元事業主・派遣先事業主は、それぞれの責任に応じた労働安全衛生法上の措置を徹底する必要があります。

また、これらの措置を円滑に実施するためには、派遣元事業主・派遣先事業主の連絡調整等が重要となるため、連絡調整等を行う製造業務専門の責任者の選任等が義務付けられています。

もし、派遣労働者が労働災害に被災してしまったら、

@ 派遣先事業主は、労働災害の発生原因を調査し、再発防止対策を講ずる必要があります。

A 労働災害の発生原因や再発防止対策は、安全委員会等で調査審議する事項です。

B 派遣元事業主は、被災した労働者が労災保険給付の手続を行うために必要な助力を行います。

派遣先事業主

安全衛生教育

特別教育(危険有害業務就業時)
派遣先事業主は、一定の危険有害業務に派遣労働者を従事させる場合には、派遣労働者に特別の教育を行わなければなりません。(労働安全衛生法第59条第3項)

職長教育
派遣先事業主は、その事業場が一定の業種に該当するときは、新たに職務に就くことになった職長等、他の労働者を指導・監督する派遣労働者に対し、一定の事項について、安全または衛生のための教育を行わなければなりません。(労働安全衛生法第60条)


健康診断

特殊健康診断(有害な業務にかかる健康診断)
派遣先事業主は、一定の有害業務に従事する派遣労働者に対して、健康診断(特殊健康診断)を行わなければなりません。
また、派遣先事業主は派遣先で行った特殊健康診断の結果を記録した書面を派遣元事業主に送付しなければなりません。(労働安全衛生法第66条第2項前段および第3項)


安全衛生管理体制

安全管理体制〈安全管理者・安全委員会〉
派遣労働者に関する安全管理体制の責任は派遣先事業主にあります。選任等の要否を判断するために労働者数を算定する際には、派遣先は派遣労働者数を含めてカウントすることとなります。(労働安全衛生法第11条、第17条)

作業主任者
派遣先事業主は労働災害を防止するための管理を必要とする一定の危険または有害な作業については、資格を有する者のうちから作業主任者を選任し、派遣労働者を含めて指揮させなければなりません。(労働安全衛生法第14条)


その他

危険有害業務の就業制限
派遣先事業主は、特に危険な一定の業務に派遣労働者を就かせる場合には、免許を受けた者または技能講習を修了した資格者でなければ、その業務に就かせてはなりません。(労働安全衛生法第61条)

危険または健康障害の防止のための措置
派遣先事業主は、派遣労働者に関して、労働安全衛生法で定められた一定の危険または健康障害を防止するために必要な措置を講じなければなりません。(労働安全衛生法第20条〜第25条の2)
 

派遣元事業主

安全衛生教育

雇入れ時安全衛生教育
派遣元事業主は派遣労働者に対して、雇入れ時(派遣前)に安全衛生の基本事項について教育を行わなければなりません。(労働安全衛生法第59条第1項)


健康診断

一般健康診断
派遣元事業主は派遣労働者に対して、雇入れ時および1年以内ごとに1回(深夜業務など特定業務従事者については、その業務への配置換えおよび6か月以内ごとに1回)、定期に一般健康診断を行わなければなりません。(労働安全衛生法第66条第1項)


その他

長時間労働者に対する医師による面接指導など
派遣元事業主は、派遣労働者の時間外・休日労働時間(1週間当たり40時間を超えて労働させた時間)が1月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められるもの(申出による)に対して、医師による面接指導を実施しなければなりません。
また、面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施しなければなりません。(労働安全衛生法第66条の8)
 
 

派遣元事業主および派遣先事業主

安全衛生教育

作業内容変更時安全衛生教育
派遣元事業主・派遣先事業主は、それぞれ派遣労働者に従事させる作業内容を変更する場合には、従事させる業務に応じた必要な事項について安全衛生教育を行わなければなりません。(労働安全衛生法第59条第2項)


健康診断

健康診断実施後の措置
派遣元事業主・派遣先事業主は、健康診断の結果、必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮など適切な措置を講じなければなりません。(労働安全衛生法第66条の5)


安全衛生管理体制

安全衛生管理体制
派遣元・派遣先事業場の業種および労働者数に応じて、安全管理者、衛生管理者の選任、安全委員会・衛生委員会の設置等が義務付けられています。

衛生管理体制〈総括安全衛生管理者・衛生管理者・産業医・安全衛生推進者等・衛生委員会〉
派遣労働者に関する衛生管理体制の責任は、派遣元事業主・派遣先事業主のいずれにもあります。選任等の要否を判断するために労働者を算定する際には、派遣元・派遣先ともに派遣労働者を含めてカウントすることとなります。(労働安全衛生法第10条、第12条、第12条の2、第13条、第18条)


その他

労働者死傷病報告書の提出等
派遣労働者が労働災害により死亡または休業したときは、派遣元事業主・派遣先事業主がそれぞれ労働者死傷病報告書を作成し、所轄の労働基準監督署に提出しなければなりません。(労働安全衛生法第100条・労働安全衛生規則第97条)
なお、派遣先事業主は、労働者死傷病報告書を提出したときは、その写しを派遣元事業主に送付しなければなりません。