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労働者を採用したときは、雇入れ後6か月を経過すると年次有給休暇を与えなければなりません。(労働基準法第39条第1項) パート・アルバイト等についても同様です。
急速に進む少子高齢化といった経済社会の構造変化や国際競争の激化、また、長引く経済の低迷は、これまでの右肩上がりの経済や市場の成長を前提にしてきた企業経営を大きく変化させており、より高度な経営が求められる時代になっています。 経営を支える従業員の効率的、創造的な働き方を実現するためには、今まで以上に休暇の果たすべき役割が重要になります。新しい技術への対応や独創的な発想などはストレスの解消やリフレッシュがきちんとでき、生きがいのもてる生活、働きがいのある職場から生まれてくるものだからです。
付与すべき日数、注意すべき事項は、以下のとおりです。
- 付与すべき日数
| 継続勤務年数→ |
0.5 |
1.5 |
2.5 |
3.5 |
4.5 |
5.5 |
6.5以上 |
| 週所定労働日数又は1年間の所定労働日数↓ |
| 5日以上 |
10 |
11 |
12 |
14 |
16 |
18 |
20 |
| 週所定労働時間が30時間未満の労働者 |
4日又は1年間の所定日数が169日から216日 |
7 |
8 |
9 |
10 |
12 |
13 |
15 |
| 3日又は1年間の所定日数が121日から168日 |
5 |
6 |
6 |
8 |
9 |
10 |
11 |
| 2日又は1年間の所定日数が73日から120日 |
3 |
4 |
4 |
5 |
6 |
6 |
7 |
| 1日又は1年間の所定日数が48日から72日 |
1 |
2 |
2 |
2 |
3 |
3 |
3 |
| 職業能力開発促進法に基づく職業訓練を受ける未成年者 |
12 |
13 |
14 |
16 |
18 |
20 |
20 |
- 労働者の請求する時季
年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えることとされていますので、労働者が具体的な月日を指定した場合には、次の「3.時季変更権」による場合を除き、その日に年次有給休暇を付与する必要が生じます。
- 時季変更権
使用者は、労働者から年次有給休暇を請求された時季に、年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に年次有給休暇の時季を変更することができます(労働基準法第39条第4項)。
- 年次有給休暇の繰越
年次有給休暇の請求権の時効は、2年です(労働基準法第115条)。
- 不利益取扱いの禁止
使用者は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないとされています(労働基準法附則第136条)。 具体的には、年次有給休暇を取得したことを理由に精勤手当、賞与の額の算定などに際して、年次有給休暇の取得した日を欠勤又は欠勤に準じて取り扱うことのほか、年次有給休暇の取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければなりません。
年次有給休暇の計画的付与について 労使協定の締結等一定の要件を満たした場合には、事業場で一斉に(全員が同じ日に)年次有給休暇を取ることができます。これを計画的付与といいます。夏期休暇、年末年始等に計画的付与を併用することにより、より長期の休暇が取れることになります。
- 計画的付与ができる日数
年次有給休暇の計画的付与は、年次有給休暇の付与日数すべてについて認められているわけではありません。それは、従業員が病気その他の個人的事由による取得ができるよう指定した時季に与えられる日数を留保しておく必要があるためです。 年次有給休暇の日数のうち5日は個人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければなりません。このため、労使協定による計画的付与の対象となるのは、年次有給休暇の日数のうち5日を超えた部分となります。 例えば、年次有給休暇の付与日数が10日の従業員に対しては5日、20日の従業員に対しては15日までを計画的付与の対象とすることができます。 なお、前年度取得されずに次年度に繰り越された日数がある場合には、繰り越された年次有給休暇を含めて5日を超える部分を計画的付与の対象とすることができます。
- 計画的付与の方法
年次有給休暇の計画的付与は、事業場の実態に応じ他方法を選択することが重要です。導入例としては次のものがあります。
- 企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式
企業、事業場全体を一斉に休みにできる、もしくは一斉に休みにしたほうが効率的な業態については、全従業員に対して同一の日に年次有給休暇を与えるという一斉付与方式の導入が考えられます。製造部門など、操業をストップさせて全従業員を休ませることのできる事業場などでは、このような活用方法がとられることが多いようです。 また、企業、事業場全体を休みにしても顧客に迷惑にならないような時期に、この一斉付与方式を導入するケースが多くなっています。
- 班・グループ別の交替制付与方式
企業、事業場で一斉に休みを取ることが難しい業態については、 班・グループ別に交替で年次有給休暇を付与する方式の導入が考えられます。流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業、事業場では、このような活用方法が取られることが多くなっています。
- 年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式
年次有給休暇の計画的付与制度は、個人別にも導入することができます。夏季、年末年始、ゴールデンウィークほか、誕生日や結婚記念日など従業員の個人的な記念日を優先的に充てるケースも多いようです。
- 計画的付与制度の導入に必要な手続きとは?
年次有給休暇の計画的付与制度の導入には、就業規則による規定と労使協定の締結が必要になります。
- 就業規則による規定
年次有給休暇の計画的付与制度を導入する場合には、まず、就業規則に「5日を超えて付与した年次有給休暇については、従業員の過半数を代表する者との間に協定を締結したときは、その労使協定に定める時期に計画的に取得させることとする」などのように定めることが必要です。
- 労使協定の締結
実際に計画的付与を行う場合には、就業規則の定めるところにより、従業員の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間で、書面による協定を締結する必要があります。 なお、この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。 労使協定で定める項目は次のとおりです。
- 計画的付与の対象者(あるいは対象から除く者)
計画的付与の時季に育児休業や産前産後の休業などに入ることがわかっている者、また、定年などあらかじめ退職することがわかっている者については、労使協定で計画的付与の対象からはずしておきます。
- 対象となる年次有給休暇の日数
年次有給休暇のうち、少なくとも5日は従業員の自由な取得を保護しなければなりません。したがって、5日を超える日数につき、労使協定に基づき計画的に付与することになります。
- 計画的付与の具体的な方法
- 事業場全体の休業による一斉付与の場合には、具体的な年次有給休暇の付与日を定めます。
- 班別の交替制付与の場合には、班別の具体的な年次有給休暇の付与日を定めます。
- 年次有給休暇付与計画表等による個人別付与方式の場合には、計画表を作成する時期とその手続きなどについて定めます。
- 対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い
事業場全体の休業による一斉付与の場合には、新規採用者などで「5日」を超える年次有給休暇のない者に対して、次のいずれかの措置をとります。
- 特別休暇を設けて、付与日数を増やします。
- 休業手当として平均賃金の60%を支払います。
- 計画的付与日の変更
あらかじめ計画的付与日を変更することが予想される場合には、労使協定で計画的付与日を変更する手続きについて定めておきます。
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