社会保険料の計算方法
このページの社会保険料の計算は、平成19年9月1日現在施行されている法令に基づいております。
@健康保険料・介護保険料(下記保険料を事業主、従業員折半で支払います。)
介護保険2号被保険者(40歳以上65歳未満)
・月給分 標準報酬月額(注1)×9.43/100
・賞与分 標準賞与額(注2)×9.43/100
介護保険2号被保険者以外(20歳以上40歳未満)
・月給分 標準報酬月額×8.2/100
・賞与分 標準賞与額×8.2/100
(注1)標準報酬月額とは、月給が例えば、290,000万円以上310,000円未満の場合、300,000円に固定する、その固定された報酬のことをいいます。標準報酬月額は、「健康保険料額表」に定められています。
(注2)標準賞与額は実際に支給された賞与額から1,000円未満を切り捨てた額のことをいいます。健康保険の上限額は1年間を通算して540万円、厚生年金保険と児童手当拠出金は1か月当り150万円です。
(注3)政府管掌健康保険の保険料率は、平成19年4月1日現在、8.2/100です。
(注4)政府管掌介護保険の保険料率は、平成19年4月1日現在、1.23/100です。
【事例】
月給306,000円(標準報酬月額300,000円)、年齢45才の被保険者の月額健康保険料(介護保険料を含みます。)
300,000円×9.43/100=28,290円
事業主負担分 28,290円÷2=14,145円
被保険者負担分 28,290円÷2=14,145円
健康保険料(介護保険料を含みます。)被保険者負担分として、14,145円が毎月の給与から控除されます。
A厚生年金保険料(下記保険料を事業主、従業員折半で支払います。)
・月給分(一般男女) 標準報酬月額(注1)×14.996/100
・賞与分(一般男女) 標準賞与額×14.996/100
(注1)標準報酬月額は、「厚生年金保険料額表」に定められています。
(注2)厚生年金保険の保険料率は、平成19年9月1日現在、14.996/100です。また、毎年9月に0.354/100ずつ引上げられ、最終的に平成29年9月に18.3/100となることが決定しています。
【事例】
月給306,000円(標準報酬月額300,000円)の被保険者の月額厚生年金保険料
300,000円×14.996/100=44,988円
事業主負担分 44,988円÷2=22,494円
被保険者負担分 44,988円÷2=22,494円
厚生年金保険料被保険者負担分として、22,494円が毎月の給与から控除されます。
B雇用保険料
・一般の事業の場合
・被保険者負担分 月給×6/1000+賞与×6/1000
・事業主負担分 月給×9/1000+賞与×9/1000
(注1)雇用保険料率は下記のように3業種別に異なります。
(注2)雇用保険は、下記のように被保険者と事業主負担分が異なります。
| 事業の種類 |
雇用保険率 |
| 事業主負担部分 |
被保険者負担部分 |
合計 |
| 一般の事業 |
9/1,000 |
6/1,000 |
15/1,000 |
| 農林水産業・清酒製造業 |
10/1,000 |
7/1,000 |
17/1,000 |
| 建設の事業 |
11/1,000 |
7/1,000 |
18/1,000 |
(注3)雇用保険料は、標準報酬月額や標準賞与額ではなく、実際の給与、賞与に保険料率を乗じて保険料を算出します。
【事例】
月給306,000円の被保険者の月額雇用保険料(一般の事業に従事しているものとします。)
事業主負担分 306,000円×9/1,000=2,754円
被保険者負担分 306,000円×6/1,000=1,836円
雇用保険料被保険者負担分として、1,836円が毎月の給与から控除されます。
C労災保険料
・その他の各種事業(事務・営業職等)
・事業主負担分 月給×4.5/1,000+賞与×4.5/1,000
(注1)労災保険料は全額事業主が負担します。
(注2)労災保険率は事業により危険度が異なるため、平成19年4月1日現在、4.5/1000から118/1000と幅があります。詳細は「労災保険率表」をご参照下さい。
(注3)労災保険料も、標準報酬月額や標準賞与額ではなく、実際の給与、賞与に保険料率を乗じて保険料を算出します。
【事例】
月給306,000円の労働者の月額労災保険料(その他の各種事業に従事しているものとします。)
事業主負担分 306,000円×4.5/1,000=1,377円
D児童手当拠出金
・事業主負担分 標準報酬月額×1.3/1,000+標準賞与×1.3/1,000
(注1)児童手当拠出金は、全額事業主が負担します。
(注2)児童手当拠出金の料率は、平成19年4月1日現在、1.3/1000です。
(注3)児童手当拠出金は、標準報酬月額や標準賞与額に料率を乗じて拠出金を算出します。
【事例】
月給306,000円の労働者の月額児童手当拠出金額
事業主負担分 300,000円×1.3/1,000=390円
E一般拠出金
・事業主負担分 月給×0.05/1000+賞与×0.05/1000
(注1)一般拠出金は、全額事業主が負担します。
(注2)一般拠出金の料率は、平成19年4月1日現在、一般事業の場合0.05/1000です。
(注3)一般拠出金は、実際の給与や賞与の実額に料率を乗じて拠出金を算出します。
【事例】
月給306,000円の労働者の月額一般拠出金額
事業主負担分 306,000円×0.05/1,000=15.3円
★社会保険料の計算方法のまとめ
社会保険料の計算方法は、大きく分けて2つに分けることが出来ます。
■健康保険料、介護保険料、厚生年金保険、児童手当拠出金
標準報酬月額×保険料率+標準賞与額×保険料率
■労災保険料、雇用保険料、一般拠出金
月給×保険料率+賞与×保険料率
保険料率は、下表の通りです。(平成19年9月1日以降)
| 種 類 |
事業主負担分 |
従業員負担分 |
合 計 |
| 健康保険(注1) |
41/1000 |
41/1000 |
82/1000 |
| 介護保険(注1) |
6.15/1000 |
6.15/1000 |
12.3/1000 |
| 厚生年金保険 |
74.98/1000 |
74.98/1000 |
149.96/1000 |
| 児童手当拠出金 |
1.3/1000 |
ー |
1.3/1000 |
| 労災保険(注2) |
4.5/1000 |
ー |
4.5/1000 |
| 雇用保険(注2) |
9/1000 |
6/1000 |
15/1000 |
| 一般拠出金 |
0.05/1000 |
ー |
0.05/1000 |
| 合 計 |
136.98/1000 |
128.13/1000 |
265.11/1000 |
(注1)健康保険・介護保険は、政府管掌健康保険の料率です。
(注2)労災保険・雇用保険、一般拠出金は、一般事業の事務職を想定しています。
【コメント】 上記の事業主負担分を合計すると、一般企業の場合、社会保険料の企業負担分は約13.7%となりますので、正社員を雇用する場合は、直接人件費以外に約13.7%の社会保険料を見込んでおくことが必要となります。
★ 社会保険料のうち、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金の月額負担分については、上記の通り
標準報酬月額×保険料率
で求めますが、標準報酬月額は下記の通り4つの決定方法があります。
■標準報酬月額の決定の4つのケース
@資格取得時決定‥入社した際など、被保険者の資格を取得した際に、決定されます。
A定時決定‥毎年7月1日現在で、決定されます。
B随時改定‥月給が変動した場合、一定の条件を満たすと、標準報酬月額が改定されます。
C育児休業等終了時改定‥育児休業等から復帰した者には、特例が認められています。
@ 資格取得時決定
イ 月給者の場合、諸手当込みの月給、残業がある場合は残業代の見込み額、通勤交通費を合計します。
ロ この合計額を対象期間の暦日数で割り、30をかけます。
ハ この額を健康保険料額表、厚生年金保険料額表に当てはめ、標準報酬月額を決定します。
二 たとえば、上記のロの金額が295,000円なら健康保険料額表、厚生年金保険料額表から、標準報酬月額は300,000円と決定されます。
ホ 社会保険料の適用時期
・上記ニの標準報酬月額をもとに計算された社会保険料は、原則として、資格取得月からAで述べる定時決定に基づく社会保険料が適用される8月まで適用されます。
A 定時決定
ア 定時決定による標準報酬月額決定方法
毎年7月1日前3か月間の報酬月額(諸手当、残業代、通勤交通費を含みます)を3で割り、1ヶ月平均の報酬額を求めます。この報酬額を健康保険料額表、厚生年金保険料額表に当てはめ、標準報酬月額を決定します。
【事例】
ある従業員の4月の月給が282,000円、5月が276,000円、6月が294,000円であった場合、この従業員の標準報酬月額は、次の様に求められます。
(282,000円+276,000円+294,000円)÷3=284,000円
従って、健康保険料額表・厚生年金保険料額表よりこの従業員の標準報酬月額は、280,000円となります。
ロ 社会保険料の適用時期
定時決定で決定された標準報酬月額に基づく社会保険料は、原則として、その年の9月から翌年の8月まで適用されます。
B 随時改定
ア 定時決定により決定された標準報酬月額は、原則として、次の定時決定まで変更されませんが、この原則を貫くと大幅な月給のアップやダウンがあった場合、標準報酬月額と実際の月給が大きく乖離し、保険料負担の問題や保険給付の点で問題が生じます。これを実態に合わせ、標準報酬月額を変更することを随時改定と言います。
イ 随時改定の要件
随時改定は次の要件を全て満たす場合に行われます。
@ 昇(降)給など固定的賃金の変動があったとき
A 固定的賃金(基本給等)の変動月以後、継続した3か月間に受けた賃金の平均月額によって算定した標準報酬月額の等級と現在の等級との間に2等級以上の差が生じたこと
B 3か月とも報酬支払基礎日数が17日以上であること
ウ 随時改定による標準報酬月額決定方法
被保険者の継続した3ヶ月間に受けた賃金の総額を3で割った額が新しい平均報酬額となります。この報酬額をもとに健康保険料額表や厚生年金保険料額表より、新しい標準報酬月額を決定します。
エ 社会保険料の変更時期
上記ウで決定された標準報酬月額をもとに新しい保険料が算出され、随時改定対象月の最終月の翌月から次回の定時決定で標準報酬月額が変更されるまで適用されます。
C 育児休業等終了時改定
ア 育児休業等を終了し、職場に復帰した場合、申し出をすれば、復帰後の報酬額によって標準報酬月額を改定することが出来ます。育児休業等終了時改定は、育児休業等を終了し短時間勤務等で働いた場合で 随時改定の要件に達しない場合(17日以上連続3ヶ月の要件に達しない場合)標準報酬が改定出来ないので安い賃金で高い保険料負担の是正が目的です。
イ 育児休業等終了時改定の要件
・育児休業等終了日において三歳に満たない子を養育する場合
・事業主を経由して社会保険庁長官(健康保険法の場合保険者)に申出ること
ウ 標準報酬月額の決定方法
育児休業等終了日の翌日が属する月の以後3ヶ月間で 定時決定の手法により平均報酬月額を求め、これに基づく標準報酬月額の等級と現在の等級に1等級以上の差が生ずると、標準報酬月額が変更されます。
エ 社会保険料の変更時期
上記ウで決定された標準報酬月額をもとに新しい保険料が算出され、育児休業等終了時改定対象月の最終月の翌月から次回の定時決定で標準報酬月額が変更されるまで適用されます。
★ 労働保険料(労災保険料・雇用保険料、一般拠出金)の決定方法
年間総人件費×保険料率
@労災保険料
労災保険は、パートタイマーを含め、労働者を一人でも雇い入れれば加入しなければなりません。労働者に支払った賃金・賞与の全額に保険料率をかけて保険料を算出します。
【事例】
ある企業の総人件費が5,000万円の場合の労災保険料は次の通りとなります。事業はその他各種事業とします。
50,000,000円×4.5/1000=225,000円(全額事業主負担、年間分)
A雇用保険料
雇用保険料も、労働者に支払った賃金の全額に保険料率をかけて保険料を算出します。
年間総人件費(注)×保険料率
(注)全労働者に支払う賃金・賞与から、雇用保険に入る必要のない者(昼間部に通う大学生等)、その年の4月1日現在64歳以上の高齢者等雇用保険適用除外者に支払う賃金・賞与を控除します。
【事例】
ある企業の総人件費が5,000万円、雇用保険の適用除外者分の人件費が500万円の雇用保険料は、次の通りとなります。事業は一般の事業とします。
(50,000,000円ー5,000,000円)×15/1000=675,000円 内訳:被保険者負担分 270,000円 事業主負担分 405,000円(年間分)
B一般拠出金
一般拠出金は、パートタイマーを含め、労働者を一人でも雇い入れれば負担しなければなりません。労働者に支払った賃金・賞与の全額に料率をかけて拠出金を算出します。
【事例】
ある企業の総人件費が5,000万円の場合の一般拠出金は次の通りとなります。事業は一般の事業とします。
50,000,000円×0.05/1000=2,500円(全額事業主負担、年間分)
★ 社会保険料の納付方法
■ 健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金の納付方法
・前月の被保険者負担分の保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)を当月の給与より控除し、事業主負担分と合わせて、当月の月末までに社会保険事務所に納付します。納付の義務は、事業主にあります。
・賞与に関する社会保険料は、被保険者負担分の保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)を賞与より控除し、事業主負担分と合わせて、翌月に毎月分と合わせて社会保険事務所に納付します。
■ 労災保険料、雇用保険料、一般拠出金の納付方法
労働保険料(労災保険料・雇用保険料)は、4月1日から翌年3月31日(これを保険年度といいます)の予想総人件費をもとに概算保険料を納付し、翌年前保険年度の実際の総人件費を基に確定保険料を計算し、差額を精算します。これを労働保険の年度更新といいます。毎年5月20日までに前年度分の精算、次年度の概算保険料を労働基準監督署に納付します。 一般拠出金は、前年度の総人件費をもとに確定金額を算出し、労働保険料と併せて納付します。
なお、被保険者負担分として給与・賞与から控除される雇用保険料は、年度更新により納付するまで事業主が預かることとなります。
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